はじめに
アルミニウムは「軽量(鉄の1/3)」、「強靭(A-2000番やA-7000番は鋼に匹敵)」、「加工性に優れ」、「磁力の影響を受けない」、「熱伝導度がよく」、「光や電波を良く反射」、「電導度が良く(銅の60%)」、「毒性が無く」、「リサイクルが容易」 な為、その用途は多くの分野で活用されている。
アルマイト皮膜の特徴
周知のようにアルミニウムは自然界において、酸化皮膜を生成する特性を持つ。 この皮膜は非常に薄く(1/1000μm程度)耐摩耗性には殆ど効果はないが、腐食され難い状態になり、破れても直ぐ生成されます(1円硬貨が腐食しにくいのも酸化皮膜の影響)。この酸化皮膜を人工的に厚く(2~50μm)、硬くしたのが「アルマイト処理(陽極酸化処理)」です。
アルマイト皮膜は多孔質で、対摩耗性、耐食性に優れていることから、自動車のブレ-キ部品を始め機能部品等への用途が拡大してきました。また、吸着性を利用して染料による着色が可能な為、装飾品、多品種のポカヨケ等その応用範囲は更に広がっております。
アルマイト処理による効果
- 耐食性の向上
- 耐摩耗性の向上(HV300以上)
- 吸着性が有り着色ができる
- 樹脂類の含侵処理により摩擦抵抗の低減
- 絶縁性がある
アルマイト皮膜の構造
- 酸化皮膜は2つの層からなり、外層は厚い多孔質で、これはその下にある薄い緻密な層が成長してできたものである。
- 酸化皮膜は六角形のセル構造をしており、その中心に星状の微孔を有する。
自動車の重要部品に特化
品質
アルマイト皮膜特性を要因系で保証できる体制。
コスト
少量生産でも統一原価の可能な体制。ベトナム工場・中国工場によるASEANでの国際価格競争力のある体制。
納期
スピードも求められる国際社会のなかで短納期の実現。
環境
ISO 14001に基づいた環境活動の展開、省エネルギーの実現。
当社はμm(マイクロメートル)の世界での精度を実現することにより、自動車の重要部品に特化した処理を行っています。
主力製品 ››
アルマイト
硬質アルマイト
アルマイト処理の中でも、更なる表面硬度を追求するアルマイトト処理を言います。 摺動部など耐磨耗性の要求される部品などに多く使用されております。
膜厚と硬度の関係はほぼ相関がありません。10μm以上であれば概ね硬度について向上が図れます。
材質によっても皮膜硬度は変わります。下記表にて一般論として目安表示致しました。詳細につきましては、弊社営業までお問い合わせ下さい。
材 質 | 硬度期待値 |
---|---|
A6000系 | Hv350~420 |
A2000系 | Hv200~270 |
A5000系、A7000系 | Hv300~ |
常温アルマイト
- 一般に言われるアルマイトです。
- 目的は耐磨耗、耐食、耐候等があり、また染色も可能です。
- 一般的には、ご要望にもよりますが、3~15μmの皮膜厚です。
- 可能膜厚は材質にもよりますが、80μm位までは可能です。
- 染色色調は赤、青、金、茶、黒、緑等、ご相談下さい。
ダイカストアルマイト
- アルミダイカストの材質特性上から皮膜生成がしづらい分野となっております。
- 特に昨今需要の多いADC12については自動車部品初め需要は高まっております。
- 弊社においては、自動車部品を中心に50万個/月の生産を請け負い、その長年の実績に基づいたご提案が可能です。
◆ ADC12のアルマイト施工につて
- 膜厚
- 生成可能膜厚:2~7μm(当社特殊技術により~20μmまで可能)
- 硬度
- Hv250~300
- 色調
- グレー色に自然発色致します
- 鋳巣
- 鋳巣による皮膜影響についてのご相談をお請けします
蓚酸アルマイト
- 蓚酸アルマイトは、アルミニウムを蓚酸水溶液中で陽極酸化することで得られる皮膜です。
- 一般に用いられている硫酸アルマイトに比べて、高い電圧が必要となり基本の生成過程は同一であるが、特殊な管理が必要となります。
- 一般に緻密な皮膜構造を生成し、耐食性に優れております。また、有機酸(蓚酸)を使用する為、人体影響が少なく、やかんや弁当箱などに使用されました。